2015年御翼4月号その4

『回復への道』―― リック・ウォレン牧師

 キリストによって救われた者も、それで完成ではなく、相変わらず過ちを繰り返しながら、その都度、悔い改め、赦されては成長してゆく「回復の過程」にある。
 以下はリック・ウォレン著『回復への道』からである。


 回復を必要としている問題が何であろうと、たとえそれが感情的、経済的、人間関係、霊的、性的な問題であろうと、回復へのステップはどれも同じだということです。回復の原則は聖書の中に示されています。聖書は回復マニュアルの原典です。
 原則1 私は神ではないということを認めます。悪いことをしてしまう自分をコントロールする力がないこと、そして自分の人生が手に負えない状態にあることを認めます。 (ローマ7・15〜17「(15)わたしは、自分のしていることが分かりません。自分が望むことは実行せず、かえって憎んでいることをするからです。(16)もし、望まないことを行っているとすれば、律法を善いものとして認めているわけになります。(17)そして、そういうことを行っているのは、もはやわたしではなく、わたしの中に住んでいる罪なのです。」
 原則2 神が生きておられること、神にとって私は大切な存在であること、そして神には私を回復させる力があることを心から信じます。
 原則3 自分の人生において神が変えたいと願っておられるすべてのことに自発的に従い、自分の性格上の歪みを直してくださるよう、へりくだって神に求めます。

 神の赦しをいただくためにしなくてよいこと
 第一に、懇願する必要はありません。神はあなたを赦したいと願っておられるのです。
 第二に、取引する必要はありません。「もし赦してくださるなら、私は二度とこんなことはしません」などという必要はありません。自分の力をよりどころにして取引しても役に立たないでしょう。
 第三に、わいろを使う必要はありません。「神様、もし私を赦してくださるなら、良い行いをして、教会にも行き、十分の一献金もします」などと言う必要はありません。必要なことは、神は赦してくださると信じるのです。

 
 自分が傷つけてきた人たちのこと、自分を傷つけた人たちのことを思い起こし、キリストにより赦していただき、キリストにより赦しを実現させていただこう。

 リック・ウォレン牧師に、ある婦人が相談に来た。「私はうつ病になってしまったみたいです。何週間も寝たきりの状態で、ベッドから起き上がる力も、生きる気力も湧いてこないのです」と。牧師が「これまでに、何かひどく後悔するようなことはありませんでしたか」と尋ねると、彼女は話し始めた。夫が旅行がちで、彼の留守中に彼女が不倫をして妊娠し、中絶をしてしまったこと、そしてそのことを夫には打ち明けていなかったという。牧師は彼女に、キリストが「わたしはあなたのすべての罪を赦し、あなたをきよめよう」と言っておられる、と話すと彼女は、「そんなこと納得できないわ。だってだれかが私の罪の償いをしないと不公平でしょう」と答えた。そこで牧師は言った。「その『だれか』がもう償ってくださったんですよ。その『だれか』とはイエス・キリストのことです。キリストが十字架にかかって死なれたのは実にそのためだったのです。イエス・キリストはあなたのその罪のためにも、またあなたが告白してもくり返し犯してしまう罪のためにも、そしてあなたがこれから犯してしまうかもしれない罪のためにも死んでくださったのです」と。
 神は、「たとえどんなしみや汚れであろうと、わたしにはそれを取り除くことができる」と言われる(イザヤ1・18)。もちろん、道徳的規準はできるだけ守った方が人は幸せになりやすい。しかし、それは絶対的条件ではない。完全に道徳的規準(律法)を満たせる者などいないのだ。私たちの基盤は、キリストにより赦され、成長させていただくところにある。

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